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風邪とかっさ

季節は二十四節気の「小雪」

本格的な冬シーズンへと入ります。

ヒトの身体は気温が10℃を下回ると免疫力が落ちると言われています。

寒さに慣れて、体も冬仕様になってくれるといいのですが、

秋から冬に変わるこの時季は、特に風邪を引きやすい頃でもあります。

東洋医学的に風邪は「ふうじゃ」と言って、

吹く風が運んでくる“邪気”を体が引き込む、と言うところから、

「風邪」は「引く」と言う表現が生まれたのです。

このように東洋医学は「天一合一思想」と言って、

自然界の神羅万象もヒトもすべてを全体として捉える自然哲学を基礎としています。

衣食住を季節に沿わせて工夫することで、

健康的な生活が導けると考えます。

「かっさ」もそのひとつ。

「なんか風邪っぽい」とお孫さんが言えば、

首や肩をおばあちゃんがかっさしてあげる。

「腰が痛い」とご主人が言えば、

背中や腰を奥様がかっさしてあげる。

そんな風に一般家庭で行われてきた民間療法。

漢字で「刮痧」と書きます。

「刮」はけずる、こするという意味で、

「痧」は血液の毒=血瘀(けつお)を意味します。

2500年ほど前から行われてきた民間療法ですが、

現代では中医学の1つとして使われている東洋医学の正式な治療法です。

 

話は「風邪」に戻ります。

風邪は首から入ると言われています。

引き始めに首筋がゾクゾクしますよね?

実際、首の周りには「風」が付くツボがたくさんあります。

「風池」「風門」「風府」「翳風」などなど。

こんな引き始めの時には、

・耳の下から肩までのラインを上から下に(画像①)

・鎖骨の下を中央から外側に(画像②)

かっさしてあげます。

また、のどの痛み、咳、鼻水などの呼吸器系の症状の時は、

・手のひらがわの親指寄りのラインを肘から手首まで上から下に(画像③)

・手の反射区の肺のゾーン(薬指と小指の付け根の間)をかっさプレートの耳で刺激(画像④)

こんな風にかっさしてあげます。

※かっさは必ず滑剤となるクリームなどを塗布して行って下さいね!

 

もちろん、発熱などがある場合は医療機関の受診、

または今の社会情勢では地域の保健所にご相談が必要な場合もあります。